遺品整理士という資格はゴミ屋敷業者に必要か
ゴミ屋敷の片付け業者を探していると、「遺品整理士」という資格を掲げている会社をよく見かけます。この資格は、片付けを依頼する上でどれほど重要なのでしょうか。結論から言うと、遺品整理士は国家資格ではなく、民間団体が認定する資格です。しかし、これが業者選びにおいて非常に有益な判断基準となることは間違いありません。遺品整理士の認定講座では、廃棄物処理に関する法規制や、供養に関する知識、さらには遺族の心に寄り添うグリーフケア(悲しみを癒す支援)といった、専門的かつ倫理的な内容を学びます。つまり、この資格を持つスタッフがいるということは、その業者が単にモノを物理的に撤去するだけでなく、依頼者の感情や、故人の想いを大切に扱ってくれる姿勢を持っている可能性が高いことを示しています。特に、ゴミ屋敷が故人の住居であった場合、そこにあるモノは遺族にとって大切な思い出の品かもしれません。何がゴミで何が遺品なのかを丁寧に見極め、貴重品や思い出の品を探し出してくれる専門知識と配慮は、遺品整理士ならではの強みと言えるでしょう。もちろん、「遺品整理士」の資格があるからといって、全ての業者が優良であると断定することはできません。しかし、ゴミ屋敷の片付けという精神的にも負担の大きい作業を依頼するにあたり、依頼者の心に寄り添う訓練を受けた専門家がいるという事実は、大きな安心材料になります。必須の許可である「一般廃棄物収集運搬業許可」と合わせて、この「遺品整理士」資格の有無も、業者選びの際の重要なチェックポイントの一つとして考慮する価値は十分にあるのです。