ゴミ屋敷の片付け業者の中には、不用品の買取サービスを提供しているところがあります。これは、片付け費用と買取金額を相殺できるため、依頼者にとっては非常に魅力的なサービスです。しかし、この買取サービスを利用する際には、業者が「古物商許可」をきちんと取得しているかどうかを必ず確認しなければなりません。古物商許可とは、古物営業法に基づき、中古品(古物)を営利目的で売買または交換するために必要な許可で、事業所の所在地を管轄する警察署が交付します。つまり、業者がゴミ屋敷の中から出てきた家電や家具、貴金属などを買い取る場合、この許可が法律で義務付けられているのです。もし無許可の業者が買取を行えば、それは明確な違法行為となります。なぜこの確認が重要なのでしょうか。第一に、コンプライアンス意識の低い業者である可能性が高く、他の作業においてもトラブルが発生するリスクが考えられるからです。第二に、無許可業者は古物の市場価値に関する知識が乏しく、不当に安い価格で買い叩くケースが少なくありません。本来であれば数万円の価値がある品を、二束三文で買い取られてしまう恐れがあるのです。一方で、古物商許可を持つ正規の業者は、専門の査定士が在籍していることも多く、品物の価値を正しく評価してくれます。業者選びの際には、ウェブサイトに古物商許可番号が明記されているかを確認しましょう。買取も希望するなら、「一般廃棄物収集運搬業許可」と「古物商許可」の二つは、安心して依頼するための必須のチェック項目だと覚えておきましょう。