社会福祉協議会の貸付制度でゴミ屋敷問題を解決へ
ゴミ屋敷を片付けたいけれど、業者に依頼する費用がない。そんな時に頼りになる可能性があるのが、各市区町村に設置されている社会福祉協議会(社協)が窓口となる「生活福祉資金貸付制度」です。これは、低所得者世帯や高齢者世帯、障害者世帯などを対象に、経済的な自立と生活の安定を目指すことを目的として、無利子または非常に低い金利で資金の貸し付けを行う公的な制度です。この制度の中に「福祉費」という項目があり、その中に「日常生活を送る上で一時的に必要と認められた費用」という使途が含まれています。ゴミ屋敷の片付けは、まさにこの「日常生活の回復に必要な費用」として認められる可能性があります。例えば、不衛生な環境が健康を害している、悪臭や害虫で近隣に迷惑をかけている、火災の危険性があるといった切迫した状況であれば、貸付の対象となる可能性は高まります。この制度を利用するには、まずお住まいの地域の社会福祉協議会に相談に行くことから始まります。相談員が現在の生活状況や困りごとを丁寧にヒアリングし、貸付の必要性を一緒に考えてくれます。申し込みには、片付け業者の見積書や、収入を証明する書類などが必要となります。審査はありますが、単に収入の多寡だけでなく、返済計画の実現可能性や、この貸付によって生活が改善されるかどうかが総合的に判断されます。金融機関からの借金とは異なり、営利を目的としない、セーフティネットとしての役割を持つ制度です。一人で悩まず、まずは「こんなことで相談していいのだろうか」というためらいを捨て、社協のドアを叩いてみてください。専門家の力を借りて住環境を整えることは、新しい生活への大きな一歩となるはずです。